神戸市垂水区の動物病院ジェームス山ペットクリニック

電話 078-753-2273電話 078-753-2273
神戸市垂水区青山台5丁目2-45

休日の事件簿

2008/08/09

休日の事件簿

File-1 ドライブはお好きですか?


うちの犬たちはドライブが好きなのか?
少し難しい質問です。なぜなら、おそらく好きでも嫌いでもなさそうなので。
車に乗るときに少し興奮しているとすれば「お母さんとお出かけだ!」のテンションだからでしょうか?
車が走り出せばすぐにリラックスして、少々運転が荒くなっても気にせずのんびり揺られています。




「車が嫌いで嫌いで、乗せるとよだれはダラダラ、呼吸は荒いし、座席から落ちるし、吐くし…。なんとかなりませんか」 と悩まれる飼い主さんの話を良く聞きます。

そこで、今回は我が家のネーズさん(チワワMIX・♀)の事件簿をご紹介致します。

実はうちの子もかつて1歳になるかならないかの頃に「車なんて大嫌い!」になったことがあったのでした。

原因は、『六甲山ドライブ』…。
「神戸に住んでるんだし夜景を観に行こう!」と突然思いついた、ある休みの晩、仔犬の頃から車には乗り馴れて、車がへっちゃらだったネーズを助手席に乗せ、無謀にも六甲山へむけて出発したのでした。
けれど六甲山の山道というものを全く想像できていなかったので、道を進むに連れて嫌な予感が募ります。ネーズは助手席のカゴの端にうずくまっていましたが…。
予感は的中、ネーズは気持ち悪そうにケロケロと吐き出してしまったのでした。
しかし行くも山道、帰るも山道、急げば車が揺れ、丁寧に運転すれば家まで辿り着けない…。

それからというもの、ネーズは駐車場に向かうと足を突っ張って「行かない!」と「イヤイヤ!」をくり返すようになってしまったのでした。

教訓1:嫌な経験は1回で体に刷り込まれる!!
教訓2:慣れてたって酔うときは酔う!

さて、ではどうやって車にリラックスして乗れる子に戻ったんでしょう??

その前に、もう一つの事件。
それは、我が家のネコのカイト君。
実は初めてのドライブが3時間を越えるロングドライブだったのですが、こちらも最初の30分ぐらいから吐き始めてしまいました。かといって運転を中断できる状況でもなくて…。
その結果、次のドライブからは車に乗せた直後から不安そうに鳴き始め、車が動き出す前からよだれダラダラ、3分で吐物と下痢にまみれてしまうありさま…。

教訓3:動物だって「酔う(ここは嫌だ)」と思って乗れば酔う!
参考:別のネコは10分以内のドライブしか経験がないためか、酔わない…。

さて、ネーズに戻って、事件を解決へと導くために、車を好きになってもらうこんなステップを踏みました。

1
おやつで気を引いて駐車場に向かい、車に着く前に引き返して他の方向へ散歩
2
車の近くまで行けるようなる(まだ乗せない)
3
車の中でおやつ(エンジン停止のまま)、その後、車を下りて近所を散歩
4
安全運転で近く(車で10分ぐらい)の公園へ行き、おもいっきり散歩
5
停車したときに眼を合わせる、おやつをあげる(危険にならないように!!)

こんなことを「いやー」ってされないようにジックリジックリ勧めていきました。どこからが嫌で、犬がどれぐらい緊張しているのか、次のステップに進めるか、それとももう少し弱い刺激に変えるべきか? そんな加減の基本にあるのが犬のしつけや行動学の知識。

そうして、時間はかかったものの、ネーズさんは今やロングドライブも全然平気でリラックスできる子に戻ったのでした。


以上、今回の事件簿でした☆
さて、なんでこんなお話になったかと言うと…、
「うちの子 車が恐いんです」「うちの子 病院が恐いんです」「うちの子…」
を『そういう犬だからしょうがない』と諦めてしまっていませんか?
困った行動を『柴犬だからしょうがない、ダックスだから当たり前』、と犬種のせいにしていませんか?
「変わらない」かどうかは、案外 飼い主さん次第なんです。

かつてネーズがしつけ教室に通っていた頃、「うちの子おバカだから・・・」と言ったらトレーナーの先生に怒られました。
「犬はみんな天才です。あなたが上手に教えてあげられていないだけです!」
だそうです(笑)。おっしゃる通り。

犬が怖がっている時、「どうしてそんな目に遭わなきゃいけないか」を犬は言葉で理解できないので、その場所や環境を恐いものとしてインプットしてしまいます。
けれど「恐くなくて楽しい」「恐くなくて嬉しい」が続けば少しずつ平気になっていくこともできます。本当に少しずつですが。

それを実際に経験していただけるのが、しつけ教室。
当院では、個々のワンちゃんの得意なことと苦手なことを知ってもらえる、うちの子をもっと理解してもらえるのがしつけ教室であって欲しいと思っています。
決してセレブの習い事でもなければ、天才の芸犬を育てる場所でもありません。
犬を理解し、犬との共通言語を増やす場所。
犬の脳をトレーニングし、人も脳を軟らかくして楽しんでもらう場所。

「犬はみんな天才」
何才からでも遅くないのです。
もしも、しつけ教室の敷居が少~し高く感じるのでしたら、まずはワン楽教室にどうぞ。
今月はドライブも含めて「出かける前に知っておいてもらいたいこと」や「出先で使えるコツ」を紹介させていただきます。

犬との時間が今よりもっと笑顔の時間になるように。




後半は相変わらずCMのようになりましたが、今回はしつけと行動学を武器に解決した我が家の事件簿をお送りさせていただきました。いかがだったでしょうか。

補足:仔犬の時期の車酔いは、正しい練習をすれば治せるものがほとんどです。

追記:ネコのカイト君は相変わらず重度の車酔いですが…。
治りましたらご報告さし上げます。

獣医師:谷本あや