神戸市垂水区の動物病院ジェームス山ペットクリニック

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冬の猫

2008/12/09

テーマは『冬のネコ』です

秋の風が吹き始めてから、我が家のネコの特等席が変わりました。
休みの日にテレビを点けながら家事をしていると、ネコが居眠りを始めるのは必ず、
テレビの上・・・。

ネコたちは居心地のいい場所を良く知っています(これはワンコもですね)、そして、とても寒がりです。 人より体温が高く、人よりフワフワの毛皮に覆われているというのに、私たちより我慢がきかずに暖かい場所に居座ります。
そう、ご存知の方も多いかもしれませんが、現代ペットとして愛されている猫たちはリビアネコを先祖に持つ砂漠生まれの動物だと考えられています。そんなわけで、時代は変わり進化すれどもネコ達は、
・ 寒さに弱い
・ 水をあまり(犬や人ほど)飲まない
・ オシッコが(人や犬より)少ない
という特徴を持って暮らしているのです。

「寒さに弱い」それだけであれば、「ふ~ん」というぐらいの特長に聞こえますが、実際は、冬はネコにとって落とし穴がいっぱいです。

気温が低くなるとネコ達の動きは鈍くなります。屋外のネコ達はそうも言っていられない場合もありますが、特に、室内で普段から運動不足のニャンコはてきめんに動かなくなります。
すると・・・、

・ トイレの回数と量が減り、膀胱の中に石ができやすくなったり、ばい菌が増えやすくなる。
いわゆる『膀胱炎』、『膀胱結石』になりやすくなります。

・ そして、高齢ネコにとても多い病気、『慢性腎不全』が体の中で進行します。

そもそもネコ達の体は水の利用のしくみがとても上手くできています。オシッコを少なくすることで水の再利用をし、全身の筋肉を使って動き回ることで体に必要な水を作ります。
けれども世間で人気の『デブネコ』、失礼しました、ぽっちゃりなニャンコ達は動かないために筋肉から水が作られないので、さらに体は水分が不足しがちになってしまいます。



一日中いつでもご飯をつまめるダラダラ食い、実はこれもネコ達の現代病を促進しています。
ダラダラいつでも食べていると、 ・ 食欲にムラができやすくなり、好き嫌いが増える

・ ご飯の量が過剰になり太りやすくなる

・ 逆に食欲が減ってきたときに気づきにくい

そして、食べることと膀胱の酸性・アルカリ性が関係しているので、
・ 膀胱炎になりやすく、治りにくくなる

という、残念なことがたくさんあるのです。

実際、標準的な雄のネコちゃん(4-5kg)の一日のドライフードの量は、ものすごく活動的な子でも1日に180ccのカップ1杯程度。小柄なニャンコ、あまり動かないニャンコでは1日に半カップ程度で充分です(フードの種類によっても変わります)。
体重が増えるにしたがって、泌尿器にとどまらず、肝臓、心臓・・・と病気の危険は増えていきます。どうぞご用心を。

ネコは季節に応じて発情期がやってくる動物です。
6~12ヶ月ごとの周期で発情(生理)がくるワンコたちとの大きな違いのひとつですね。

ネコ達は昼の長さの変化を感じて発情がやってくるので、早いニャンコ達で12月頃から相手を求めてニャーゴロが始まり、1月から3月には求愛の歌声(耳障りなハーモニー?)と、戦いの雄たけびがピークに!!

室内で飼われていると、一年中 夜間も明るいために発情周期が定まらないこともありますが、外のネコ達が鳴きだすと、室内の子達も外へ出たくて、いてもたってもいられなくなります。
今年の春から初夏に生まれたチビニャンコ達も、この冬には最初の発情シーズンを迎えます。
実際、生後5ヶ月で発情を迎えて来院するチビちゃんもいました。

避妊手術をしていない場合、普段は室内で生活している子がお母さんの目を盗んで外へ出て迷子になったり、事故にあったりというトラブルが増えますし、おでかけして帰ってきてからおなかが膨らんで・・・というハプニングも起こります。
そして、慣れない野外で他のネコにケンかを売られてケガをしたり、ケガだけでなくウイルスの病気をもらったりすることも現実に起こります。

ネコちゃんの発情は初夏まで続きますので(2-3週間の発情が何度か繰り返します)、「健康に長生き!」ということを考えて、室内飼育のニャン達でも
病院では避妊・去勢手術をお勧めしています。

そして、余談にはなりますが、去勢手術をしていない雄ネコを「自由が一番」と家の外に自由に出すのは、無数の不幸な子ネコを生み出すことにつながります。
餌をあげている「外ネコ」であっても、避妊去勢手術をするのは動物を愛する人間のマナーです。

まとめ

♪ 冬もお水を飲みましょう・冬も我慢せずおトイレに行きましょう ♪

「うちの子、水がたりないかしら・・・」と思うときは、
・ ドライフードをふやかしてみたり(好き嫌いする子は難しいかな・・・)
・ 缶詰を混ぜてみたり(水分は満点です!)
・ さらに缶詰にスプーン1杯2杯と水を加えてみるのもいい手です
・ 飲み水をぬるま湯にすると好む子もいます
・ ネコ缶の汁を飲み水に混ぜてみるのもいいかもしれません

そして何より、「太りすぎていませんか!?」
いつも腹八分目で何でも食べるニャンコは病気にもなりにくく、治療もスムーズです。
いつでも満腹なニャンコは好き嫌いも増えますし、病気になると突然 食べなくなったまま、どんどん回復が難しくなります。

この冬をニャンコの生活改善の冬に!!

体重や食事、詳しい病気のことなど、ご質問は病院までどうぞ。

獣医師 中野あや